日本の法律は、日本語を読解できる日本人として理解できる代物でしょうか?
ここで、発行者による上場株券等の公開買付けのルールに関する金融商品取引法第27条の22の2第2項をみてみましょう。
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第二十七条の二第二項から第六項まで、第二十七条の三(第一項後段及び第二項第二号を除く。)、第二十七条の四、第二十七条の五(各号列記以外の部分に限る。第五項及び次条第五項において同じ。)、第二十七条の六から第二十七条の九まで(第二十七条の八第六項、第十項及び第十二項を除く。)、第二十七条の十一から第二十七条の十五まで(第二十七条の十一第四項並びに第二十七条の十三第三項及び第四項第一号を除く。)、第二十七条の十七、第二十七条の十八、第二十七条の二十一第一項及び前条(第二項を除く。)の規定は、前項の規定により公開買付けによる買付け等を行う場合について準用する。この場合において、これらの規定(第二十七条の三第四項及び第二十七条の十一第一項ただし書を除く。)中「株券等」とあるのは「上場株券等」と、第二十七条の二第六項中「売付け等(売付けその他の有償の譲渡をいう。以下この章において同じ。)」とあるのは「売付け等」と、第二十七条の三第二項中「次に」とあるのは「第一号及び第三号に」と、同項第一号中「買付け等の期間(前項後段の規定により公告において明示した内容を含む。)」とあるのは「買付け等の期間」と、同条第三項中「公開買付者、その特別関係者(第二十七条の二第七項に規定する特別関係者をいう。以下この節において同じ。)その他政令で定める関係者」とあるのは「公開買付者その他政令で定める関係者」と、同条第四項前段中「当該公開買付けに係る株券等の発行者(当該公開買付届出書を提出した日において、既に当該発行者の株券等に係る公開買付届出書の提出をしている者がある場合には、当該提出をしている者を含む。)に送付するとともに、当該公開買付けに係る株券等が次の各号に掲げる株券等に該当する場合には、当該各号に掲げる株券等の区分に応じ、当該各号に定める者」とあるのは「次の各号に掲げる当該公開買付けに係る上場株券等の区分に応じ、当該各号に定める者に送付するとともに、当該公開買付届出書を提出した日において、既に当該公開買付者が発行者である株券等に係る公開買付届出書の提出をしている者がある場合には、当該提出をしている者」と、同項各号中「株券等」とあるのは「上場株券等」と、第二十七条の五ただし書中「次に掲げる」とあるのは「政令で定める」と、第二十七条の六第一項第一号中「買付け等の価格の引下げ(公開買付開始公告及び公開買付届出書において公開買付期間中に対象者(第二十七条の十第一項に規定する対象者をいう。)が株式の分割その他の政令で定める行為を行つたときは内閣府令で定める基準に従い買付け等の価格の引下げを行うことがある旨の条件を付した場合に行うものを除く。)」とあるのは「買付け等の価格の引下げ」と、同条第二項中「買付条件等の変更の内容(第二十七条の十第三項の規定により買付け等の期間が延長された場合における当該買付け等の期間の延長を除く。)」とあるのは「買付条件等の変更の内容」と、第二十七条の八第二項中「買付条件等の変更(第二十七条の十第三項の規定による買付け等の期間の延長を除く。)」とあるのは「買付条件等の変更」と、第二十七条の十一第一項ただし書中「公開買付者が公開買付開始公告及び公開買付届出書において公開買付けに係る株券等の発行者若しくはその子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。)の業務若しくは財産に関する重要な変更その他の公開買付けの目的の達成に重大な支障となる事情(政令で定めるものに限る。)が生じたときは公開買付けの撤回等をすることがある旨の条件を付した場合又は公開買付者に関し破産手続開始の決定その他の政令で定める重要な事情の変更が生じた」とあるのは「当該公開買付けにより当該上場株券等の買付け等を行うことが他の法令に違反することとなる場合又は他の法令に違反することとなるおそれがある事情として政令で定める事情が生じた」と、第二十七条の十三第四項中「次に掲げる条件を付した場合(第二号の条件を付す場合にあつては、当該公開買付けの後における公開買付者の所有に係る株券等の株券等所有割合(第二十七条の二第八項に規定する株券等所有割合をいい、当該公開買付者に同条第一項第一号に規定する特別関係者がある場合にあつては、当該特別関係者の所有に係る株券等の同条第八項に規定する株券等所有割合を加算したものをいう。)が政令で定める割合を下回る場合に限る。)」とあるのは「第二号に掲げる条件を付した場合」と、第二十七条の十四第一項中「、意見表明報告書及び対質問回答報告書(これらの」とあるのは「(その」と、同条第三項中「並びに第二十七条の十第九項(同条第十項において準用する場合を含む。)及び第十三項(同条第十四項において準用する場合を含む。)の規定」とあるのは「の規定」と、同条第五項第一号中「第二十七条の八第三項」とあるのは「第二十七条の二十二の二第二項において準用する第二十七条の八第三項」と、同項第二号中「第二十七条の十第八項若しくは第十二項又は前条第三項」とあるのは「第二十七条の二十二の二第七項」と、第二十七条の十五第一項中「、公開買付報告書、意見表明報告書又は対質問回答報告書」とあるのは「又は公開買付報告書」と、同条第二項中「公開買付者等及び対象者」とあるのは「公開買付者等」と、前条第一項中「若しくは第二十七条の二第一項本文の規定により公開買付けによつて株券等の買付け等を行うべきであると認められる者若しくはこれらの特別関係者」とあるのは「若しくは第二十七条の二十二の二第一項本文の規定により公開買付けによつて上場株券等の買付け等を行うべきであると認められる者」と、同条第三項中「前二項」とあるのは「第二十七条の二十二の二第二項において準用する第一項」と読み替えるものとする。
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私は、東京大学教養学部文科一類(いわゆる東大文一)に現役合格する程度の国語読解能力があります。
日本人平均の国語読解能力と比べても、遜色ないレベルかな、と思っています(多少の謙遜は込めています)。
そんなレベルの私が上記の日本語の羅列を最初に目にした時、頭の中に投影された認識風景は、
といったものでした。
「なんだ、これ。日本語で書いてあるが、日本語の文章ではないだろ。暗号か呪文か? まだ般若心経の方が、なんとなくだが意味はわかるが、この不気味で奇っ怪な呪文か暗号は何なんだ・・・・」
お恥ずかしながら、初見ではちんぶんかんぶんでした(もっとも、業務で使うようになってからは、この象形文字の塊のような文書<もんじょ>が、何をいいたいのかが理解できるようになりましたが)。
要するに、法律という
「特殊文学」
は、普通の日本人が普通の日本語として普通の読解努力を以て読解に努めても、決して理解できないように作られているのです。
結論としていえば、
「法律は、(日本語を母国語とする日本人が決して理解できない、)日本語で書かれているが、到底日本語の文書とはいえない、全く別のシロモノ」
ということになろうかと思います。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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