本ケーススタディの詳細は、日経BizGate誌上に連載しました 経営トップのための”法律オンチ”脱却講座 シリーズのケース34:団体交渉! 恐れず甘く見ずをご覧ください。
相談者プロフィール:
数寄村物産株式会社 代表取締役社長 数寄村 泰蔵(すきむら たいぞう、36歳)
相談概要:
中途採用された女性社員が、
「パワハラされた」
「セクハラされた」
「鬱になったから心療内科通う」
と欠勤が続いた後、労働組合から団体交渉要求通知がきました。
労務部長と知り合いの社労士、弁護士のにわかチームで対応させたところ、相手から
「東京都労働委員会に団体交渉をします」
「交渉を拒絶されたということで、争議に移行します」
と威圧的に言い放たれるような状況に陥りました。
あげくの果て、会社側社労士チームが相談者に対して、労働組合のいいなりになるようにと提案するにいたりました。
以上の詳細は、ケース34:団体交渉! 恐れず甘く見ず【事例紹介編】をご覧ください。
本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点1: 団体交渉とは何か
団体交渉とは、日本国憲法第28条及び労働組合法によって保障された手続きにのっとり、労働組合が企業と労働契約に関する事項に関して交渉することを指します。
企業側が正当な理由もなく無視・拒否・不誠実に対応した場合、その対応は
「不当労働行為」
とされ、組合側が労働委員会に救済申し立てをされることにより、救済命令が発令され、使用者の面目を喪失するような措置が取られたりすることが生じます。
また、企業側が団体交渉にきちんと応じない、あるいは正当かつ誠実な団体交渉を経てもなお解決できない問題については、組合側としては、打開を求めて争議行為を展開することになります。
以上の詳細は、ケース34:団体交渉! 恐れず甘く見ず【団体交渉とは何か】をご覧ください。
本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点2:やってはいけない独立系労組への対応
組合員は自らの地位や権利や尊厳がかかっており、大変な決意で団体交渉に臨んでおり、また当該組合員の権利や立場や尊厳を守るために、組合としても
「労働争議のプロフェッショナル」
として、交渉テーマについて、組合として掲げた目的を達成するため、入念な準備と必死の姿勢で臨んでいます。
企業側がのらりくらりと対応していると、痛いところ、弱いところを突かれ、反論もろくにできないまま妥協の姿勢を示そうものなら、すかさず強硬な条件をつきつけられ、際限なき譲歩を迫られることにもなりかねません。
以上の詳細は、ケース34:団体交渉! 恐れず甘く見ず【やってはいけない独立系労組への対応】をご覧ください。
モデル助言:
交渉テーマは
「セクハラ」
「パワハラ」
という事実の有無であり、水掛け論に至ることが想定され、交渉によって妥協して解決できる性質のものとは考えられません。
最終的に事実の有無を公権的に判断するのは裁判所です。
会社としては、誠実な姿勢を崩さず、きちんと対応し、不当労働行為かどうか争われれば、きちんと反論すればいいだけですし、仮に負けても、東京高裁に訴えることもできます。
争議行為といっても、もともと会社を休んでいる人がストライキをして来ないだけですから、基本的には事業に影響はないはずですし、何十億円も取られるわけでもありません。
以上の詳細は、ケース34:団体交渉! 恐れず甘く見ず【今回の経営者・数寄村社長への処方箋】をご覧ください。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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