企業の役職員が、法的リスクやコンプライアンス課題を正しく認識把握できない事態に陥る原因としては、属人的なものもあります。
企業の役職員は、経営(効率的な金儲け)については詳しくても、法律の専門家ではありません。
法律の条文、思考枠組、運用メカニズム、限界領域の解釈、運用相場観、すべてが、腹が立つくらい、難解で高尚で、一般人の理解を拒絶します。
「判読不能な象形文字」
にしか見えていない
「難解な漢字の羅列である特殊文学である法律条文」
を目にしても、
「無知をさらけ出すと沽券に関わる」
と考えるためか、企業の役職員は、エラそうに知ったかぶりをしてしまいます。
また、リスク管理を実施する実務担当者側にも問題があります。
知的専門分野に関する文書は、3つに大別されます。
「データ」
と
「リテラシー」
と
「ストーリー」
です。
条文や法律や漢字がやたらめったら多い分厚い法律書は、データであってコンテンツではありません。
コンテンツとは、リテラシーを改善・向上させるような本質的なことが書いてあったり、リテラシーを用いて状況が改善するプロセスを描いたストーリーの、いずれかです。
やたらとデータに詳しいからといって、その人間が、リテラシーに長け、ストーリーを語れるか、というと、そうとは限りません。
むしろ、データばかりマニアックに追いかけている人間は、教養がなく、リテラシーが欠如し、ストーリーを描けない可能性があります。
企業のビジネスパースンに、法律に関する経営課題を提議する際、データを羅列しても辟易されるだけとなります。
彼らには、
「リテラシー」
に還元し、
「リテラシーが頭で理解でき、心からビビッドに実感できる、行動や判断に結び付けられる、ストーリー」
を語らないと効果的にコミュニケーションできたことにはなりません。
そのような
「刺さる」プレゼン
をしないと、
「高尚で難解で抽象的で意味不明な法的専門用語が、誰も理解されることなく、素通りされていく」
という事態を招きます。
その先にある結末は、
東芝のように
「担当者以外の経営陣が詳細な契約内容を認識していない」
という状況を招き、挙句の果てには、
「事業全体の損失額は7125億円にのぼった。16年4~12月期の最終赤字は4999億円となり、12月末時点で自己資本は1912億円のマイナスだ。先達が営々と蓄積してきた利益が全て吹き飛ばされ、ついに債務超過に陥」る、
ということなのです。
ビジネスパースンの想定精神年齢を11、12歳として設定し、その程度の精神年齢に語りかけるくらいに咀嚼しないと、
「担当者以外の経営陣が詳細な契約内容を認識していない」
という事態を招きません。
「ドラえもん」
に出てくる野比のび太くんや、妖怪ウォッチに出てくるケイタくんでも、
「なるほど」
「そういうことか」
と感心して食いつくような内容・本質が語られていないと、リスクを伝えたことにならない、ということです。
リスク管理の実務担当者は、そのくらい伝える力、すなわち、
「データ」
から
「リテラシー」
を抽出し、
「ストーリー」
に仕立てて、ビジネスパースンが理解し、心に刺さり、実感として体感できるまで、リスクを提示する能力、を磨くことが重要となります。
企業の役職員が、法的リスクやコンプライアンス課題を正しく認識把握できない事態に陥る原因としては、属人的なものもあります。
企業の役職員は、経営(効率的な金儲け)については詳しくても、法律の専門家ではありません。
法律の条文、思考枠組、運用メカニズム、限界領域の解釈、運用相場観、全てが、腹が立つくらい、難解で高尚で、一般人の理解を拒絶します。
「判読不能な象形文字」
にしか見えていない
「難解な漢字の羅列である特殊文学である法律条文」
を目にしても、
「無知をさらけ出すと沽券に関わる」
と考えるためか、企業の役職員は、エラそうに知ったかぶりをしてしまいます。
また、リスク管理を実施する実務担当者側にも問題があります。
知的専門分野に関する文書は、3つに大別されます。
「データ」
と
「リテラシー」
と
「ストーリー」
です。
条文や法律や漢字がやたらめったら多い分厚い法律書は、データであってコンテンツではありません。
コンテンツとは、リテラシーを改善・向上させるような本質的なことが書いてあったり、リテラシーを用いて状況が改善するプロセスを描いたストーリーの、いずれかです。
やたらとデータに詳しいからといって、その人間が、リテラシーに長け、ストーリーを語れるか、というと、そうとは限りません。
むしろ、データばかりマニアックに追いかけている人間は、教養がなく、リテラシーが欠如し、ストーリーを描けない可能性があります。
企業のビジネスパースンに、法律に関する経営課題を提議する際、データを羅列しても辟易されるだけとなります。
彼らには、
「リテラシー」
に還元し、
「リテラシーが頭で理解でき、心からビビッドに実感できる、行動や判断に結び付けられる、ストーリー」
を語らないと効果的にコミュニケーションできたことにはなりません。
そのような
「刺さる」プレゼン
をしないと、
「高尚で難解で抽象的で意味不明な法的専門用語が、誰も理解されることなく、素通りされていく」
という事態を招きます。
その先にある結末は、先程の
「凍死場(仮名)」
のように
「担当者以外の経営陣が詳細な契約内容を認識していない」
という状況を招き、挙句の果てには、
「事業全体の損失額は7125億円にのぼった。16年4~12月期の最終赤字は4999億円となり、12月末時点で自己資本は1912億円のマイナスだ。先達が営々と蓄積してきた利益が全て吹き飛ばされ、ついに債務超過に陥」る、
ということなのです。
ビジネスパースンの想定精神年齢を11、12歳として設定し、その程度の精神年齢に語りかけるくらいに咀嚼しないと、
「担当者以外の経営陣が詳細な契約内容を認識していない」
という事態を招きません。
「ドラえもん」
に出てくる野比のび太くんや、妖怪ウォッチに出てくるケイタくんでも、
「なるほど」
「そういうことか」
と感心して食いつくような内容・本質が語られていないと、リスクを伝えたことにならない、ということです。
リスク管理の実務担当者は、そのくらい伝える力、すなわち、
「データ」
から
「リテラシー」
を抽出し、
「ストーリー」
に仕立てて、ビジネスパースンが理解し、心に刺さり、実感として体感できるまで、リスクを提示する能力、を磨くことが重要となります。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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