00783_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する14:裁判官のココロを鷲掴みにするための推奨行動(1)ルーズなことをしない。納期は絶対厳守する。

訴訟弁護士といっても、世間で言われるほどエライ人間ではなく、実体は、裁判所というお役所の出入りの業者みたいなもんです。

そして、出入りの業者風情が納期を遅らせたら出入禁止になるのと同じで、納期厳守は絶対です。

一般社会における仕事と同様、訴訟を遂行する上でも、さまざまな課題の提出が要求され、そのすべてについて納期が設定されます。

曰く、
「何時何時までに、この点を調べてこい」
「この点について主張内容を整理しろ」
「こういう証拠があればとっとと出せ」
と。

さらにいいますと、法廷や弁論準備室でのやりとりは時間が限られていますので、時間を効率的に使うためには、議論の素材となるべき主張や証拠は事前に出しておくべき必要があります。

ですので、たいていは、課題提出期限は、期日の1週間前とかに前倒しして設定されますが、無論これも納期厳守です。

仮に納期が維持できないようであれば、いわゆるホーレンソー(報連相=報告・連絡・相談のこと)により事前に対応を協議しておくべき必要があります。

弁護士さんの中には、ルーズな人もいますが(というか、世間一般のイメージに反してほとんどが雑でルーズで、マメな人の方が稀)、基本的にこういう人は裁判官に嫌われます。

そもそも裁判官というのは、
「小さいころから宿題とか課題とかいったものはすべて期限内に相当中味のしっかりしたものを提出して先生やママに褒められてきた」
というようなタイプの人ばかりです。

「夏休みの宿題を忘れて廊下に立たされる」
というようなタイプの人間は、司法試験や司法研修の段階のはるか以前で淘汰されるので、そんないい加減な人間は裁判官には皆無です。

そういう
「謹厳実直を絵に描いたような人」

「お客様」
であり
「神様」
ですので、納期感覚がいい加減な出入り業者は裁判所では非常に不快な印象をもたれますし、また客であり神である人の不興を被って稼業が成り立つほど甘くありません。

ですので、訴訟遂行上、納期厳守はもちろんこと、遅れそうな場合のフォローは、単純なことですが、少しでも裁判官の心証をこちらに有利に運ぶためにはきわめて重要なポイントになります。

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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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