00839_ビジネス活動・営業2:「昭和の営業」=「気合、根性だけで営業が何とかなった時代の営業」

最近では、中東における緊張状態が連日報道されていますし、ウクライナにおける代理戦争のようなロシアとEUとの暗闘状態が垣間見えたりしますが、今から、30年から40年ほど前までは、米ソが世界を舞台にして一触即発のガチの睨み合いの真っ最中でした。

本格的な殴り合いはないものの、今にも殴り合いがはじまりそうな、みていてハラハラするようなガンの飛ばし合いを、
「冷戦」
などと呼んでいました。

このように世界が緊張状態のまっただ中にある中、アジアにおける西側世界の
「代貸し」ないし「若頭」的地位にあった日本
は、
アメリカという「組長」
の庇護の下、
「フツーのものをフツーの値段でフツーに作れる」
という稀有な工業国家として、
「世界の工場」
の地位を築き上げました。

経済はインフレーション傾向にあり、作っても作ってもモノが不足し、作ればすべてモノが売れる時代でした。

現在のように、マーケティングだの営業戦略だの細かいことをグダグダ考えなくても、気合を入れれば、なんとか需要家がみつかり、あとは押しの一手で在庫を持ってもらうことができる、そんな時代でした。

そういう時代においては、能書きたれるよりも行動こそが重要で、まさしく営業は気合であり、根性だったのです。

この時代、売上とは、
「営業マンの数×1人当たり売上」
で計算されました。

いかに多くの営業マンを採用するか、そして、いかに営業マンを働かせるか、が重要だったのです。

しかし、1989年、ベルリンの壁が崩壊し、冷戦が終了し、世界市場が単一化し、供給が過剰になりはじめました。

そして、東欧諸国や南米や中国が競争に参入し、圧倒的な価格競争力で
「世界の工場」
という地位を日本から奪取しにかかります。

加えて、日本国内においては社会が成熟し、デフレ・低成長時代になり、モノ余りが顕著になっていきました。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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