法務責任者(法務マネージャー)について、弁護士資格(ニューヨーク州弁護士資格等)や法学部卒業資格を求めるか否かという問題もありますが、もちろんかかる資格等があって特段不利あるいは有害ということはありません。
企業法務活動においては、最終的な法的判断や難解な法解釈は、社内で処理するのではなく、外部の専門家に委ねることが多いと思われますし、このような資格やバックグラウンドに固執する必要はないかと思われます。
特に、顧問弁護士(契約法律事務所)を多用し、定型的・類型的な処理以外の法務マターを全て外注委託するという企業に関しては、中途半端な知識や外部の弁護士に対する妙な対抗意識はむしろ有害であり、企業活動や問題の所在を迅速に発見し(課題発見能力)、これを社外の専門家に効果的に説明できるコミュニケーション能力と、委託先をうまく使いこなせる人間関係構築力の方が重要と考えます。
また、法務責任者の役割を考えますと、法務責任者の資質・人柄としては、視野の狭い職人気質の専門家ではなく、依頼部門や経営陣の知恵袋として、法の障害と事業ニーズとの接点を見出す柔軟性や現実性、さらには(知識ではない)知恵や創造性も要求されます。
加えて、法規制に明らかに抵触する事業に対する意見を求められたときなどは、ときに悪役となって、トップに対して言いにくいことを平然と言い放つ胆力も求められます。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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