01075_法務組織の体制構築>企業法務活動を担うハードウェア>(5)法務スタッフ>機関運営

法務スタッフの重要な活動として、機関運営のサポートがあります。

「(意思決定)機関」
とは、法人格を有する組織において意思決定を行う会議体を指します(なお、代表取締役など業務執行を行う個人も、「業務遂行機関」として、機関性を有することがありますが、以下では、取締役会や監査役会や委員会設置会社における各種委員会等、会議体による意思決定を行う機関を議論します)。

機関運営においては、招集権者による招集、開会、報告事項、審議事項、採決、決議、閉会等一定の法的手続に則った進め方をしないと、後日、瑕疵を指摘されて企業運営に重大な影響を及ぼします。

その意味では、法に則った機関運営はすぐれて法的・専門的な側面を持ち、またその重要性から企業の他部門が軽々に扱いえない性質を有しています。

なお、機関運営の結果である各種議事録の作成についても、法律上定められた適正な方式によらなければなりません。

加えて、議事録は企業の意思決定の経過を示す最重要証拠として、紛争の際には立場を問わず援用されますので、その記載の内容や方法は重要な法務戦略をふまえたものでなければなりません。

また、議事録の保管管理の方法や場所についても法律で厳格に定められている場合があります。

以上のとおり、機関運営手続を法技術面でサポートし、また機関決定結果を議事録の形で記録し、作成・保管管理等を行うのも法務スタッフの重要な役割となります。

運営管理コード:CLBP44TO44

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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