企業法務活動の本質は、法務リスクヘの対応ということに尽きます。
リスクヘの対応が適正になされるためには、法務リスクの発見・予見・特定が迅速になされなければなりません。
このような点から企業法務活動を行うに際しては、法令環境・規制環境についての正しい情報の保有が大前提になります。
まず法務関連情報を収集・整理するにあたっては、
「法」
というものをよく理解しておかないと、方向性を喪失しかねません。
一口に
「法」
と言っても、憲法、法律、政令、府例・省令、条例、規則、通達、ガイドライン、命令、指示、指導、裁判例、条理、学説、法理論と実に様々なものが存在しますが、企業に関連するルールとしては、さらに、条約・外国法や社内自治規範(定款や就業規則、社内規則)が加わります。
また、書面に書かれざる法(不文法)ですが、温泉権(民事慣習法上の物権)や商慣習法(商法1条2項)も企業法務活動を規制するルールとして意識する必要が生じます。
まず、法令の調査についてですが、調査ツールとして模範六法や判例六法、大六法等が販売されていますが、最近では、総務省がインターネット上で法令データを提供しており、非常に簡易な検索が可能です。
条例に関しては、自治体によってはウェブサイトで公開しているところもあるので、まずはネットで検索することが推奨されます。
判例調査については、最高裁のウェブサイトにおいて重要裁判例が公開されていますし、第一法規提供の法情報総合データベース、判例秘書等、有料で判例データを提供するサービスもあります。
とはいえ、データ化までに時間を要したり、判例解説がついていなかったりしますので、最新の裁判例を解説付でチェックするには、
「判例時報」「判例タイムズ」「金融法務事情」
といった判例雑誌を定期購読するという古くからの方法もいまだ有益です。
法令や判例以外に、企業法務の情報収集活動として各種法律文献を調べることが必要な場合もあります。
最近ではインターネット上の情報も非常に使い勝手がよくなっていますので、簡便な方法としては、Googleやamazon.co.jpでキーワード検索することも有益です。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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