文書の整理・体系化・管理も企業活動の重要な業務の1つです。
何か事件が発生し、企業が自己の立場の正当性を主張立証しなければならない場合、司法・行政の別を問わず、およそ公的手続といわれる場においては、文書こそがモノをいいます。
例えば、体裁も多様で、時系列もバラバラで、記録としての即時性も継続性も一貫性もなく、保管場所も定まっていない、といった文書管理状態を例として考えてみます。
このような場合、当然必要なときに必要な文書を探し出すことは困難であり、有事の状況において、企業は自らの立場の正当性を立証しうる証拠が発見できず、非常に困難な状況に陥ります。
仮に、長時間のドキュメントマイニング(資料発掘)の結果、ようやく重要な証拠書類がみつかり、契約違反や法令違反が問われている手続の終盤になって突如提出したとしても、裁判官や審判官に
「どうして今頃提出してくるのだ? 紛争になってから作ったのではないか?」
と不信感を持たれかねません。
適切な文書による記録を各担当部門に励行させることは、有事の際に力を発揮するほか、記録を適正に残すことにより、活動に自己検証機能が働き、不当な企業活動やいい加減な行動が激減します。
さらに、所属従業員の働きぶりや成果の確認もしやすくなり経営管理にも役立つなど、一石二鳥、三鳥の効果があります。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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