契約事故・企業間紛争に関しては、法務担当者間あるいは弁護士間の裁判外での交渉を行い、それでも解決できなかった場合、裁判所や仲裁機関等の紛争解決機関での解決を行うことになります。
裁判所での民事訴訟システムに関しては、民事訴訟法の大改正(1998年施行)があり、この改正が民事訴訟実務に大きな影響を与えました。
すなわち、それまでの民事訴訟では、訴訟進行について裁判所に実質的な権限が与えられておらず、裁判所も事件に対して謙抑的に(控え目な態度で)接してきました。
その結果、従来の訴訟では、長期の時間を要し、原被告双方の代理人も、あまり時間のプレッシャーを感じることなく主張や証拠の提出ができ、その結果、紛争解決までのあまりの時間の長さに耐えきれなくなった側(たいていは原告側)が和解を申し出て、判決によらず解決する、といった現象がみられました。
また、長時間かけて一審での判決が出た後も、不服がある側が、高裁、最高裁と上訴して再度争い、解決に長時間を要するのが一般的でした。
このような状況が長く続く中で、やがて裁判所に未解決の民事事件が大量に滞留するようになり、司法が機能不全を起こすに至りました。
他方、事前規制社会から事後監視社会へ大きな社会変革がなされる上で、事後監視を担う裁判所での機能強化が求められるようになり、民事訴訟法大改正(1998年施行)により民事訴訟制度の抜本的な改革が図られるに至りました。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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