取締役就任にあたっては、会社法の知識や素養を前提資格として要求しておらず、また、日常のビジネス執行のことで頭が一杯ということもあり、取締役等の経営幹部には会社法の詳細な規制まで頭が回らないことが通常です。
とはいえ、下記のような経営幹部に対する巨額の損害賠償が命じられる事例が増加していることからも、会社業務執行にあたって法令に違反する意思決定をしないよう、万全の注意を払わなければなりません。
企業法務責任者(法務マネージャー)ないしスタッフの役割としては、
「トップマネジメントは多忙で、会社法にまで気が回らない」
という状況をよく理解した上で、 トップマネジメントが
「法知識を欠くがゆえのミス・ジャッジ」
により法令違反行為に手を染めないようにすべく、適切な情報提供を適時かつ効果的に実施することが必要になります。
企業法務スタッフとしては、伝達する法情報の正しさに意識を向けることはもちろんですが、多忙な経営幹部に適切な注意を促すべく表現・伝達の方法に創意工夫が必要です。
すなわち、
「これは法令違反」「あれも法令違反」
といった単なる
「ダメ出し」
だけでも不十分であり、打開策や回避策を複数併せて進言するような創造性・柔軟性が必要となります。
これら経営幹部への啓発がなされることにより、経営幹部による合理的な基本方針の策定がなされることが期待されます。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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