01216_労働法務>経営資源としての「ヒト」の調達・活用に関する法務課題>特殊な課題・新たな課題>昨今の問題

1 内定取消し

大学生への内定取消しが急増した問題を受けて、厚生労働省は、新規学校卒業者の採用内定取消しを防止するため、2009年1月19日から、以下の要件を満たした場合については、企業名の公表ができるとする改正職業安定法施行規則に基づく企業名公表制度を施行しました。

【図表】(C)畑中鐵丸、(一社)日本みらい基金 /出典:企業法務バイブル[第2版]
著者: 弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

2 派遣切り

派遣切りとは、派遣社員を利用する派遣先企業と派遣社員を雇用する派遣元企業との間において締結されていた労働者派遣契約が、解約ないし解除されることをいいます。

その結果、派遣元企業が派遣社員を解雇したり、期限付き雇用契約の場合であれば次回の雇用契約の更新を行わない(雇止め)という現象が発生し、マスコミ等はこの現象も含め
「派遣切り」
と呼称することがあります。

2012年派遣法が改正され(同年10月1日施行)、日雇い派遣の一部禁止や1年以内に辞めた者を派遣で受け入れることや
「直接雇用みなし規定」
の創設等が盛り込まれました。

3 経営陣にも従業員の交通事故の責任が問われた事例(名古屋高裁平成20年12月25判決(平成19年(ネ)第764号))

大型トレーラーを運転していた運送会社従業員が、居眠り運転により、3名が死亡する多重衝突事故を発生させた事件で、名古屋高裁は、当該運送会社代表取締役や会社、運行責任者らに対して、約1億5,000万円を連帯して支払うことを命じました。

同裁判所は、居眠り運転の原因が、過酷な労務条件による従業員への疲労の蓄積にあることを認定し、代表取締役らは、労務条件を改善して過労・居眠り運転を防止する義務に違反したとして、不法行為に基づく損害賠償責任を負うとの判断を行い、さらに、運転者・代表取締役らの行為は、共同不法行為であるとして、全員が総額について連帯して賠償することを命じました。

運営管理コード:CLBP252TO253

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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