ファイナンス法務については関係法令が多岐にわたるため、ファイナンス関連法務に関する法務上の知見・情報の収集のポイントについては、代表的なものについて述べておくこととします。
まず、金融商品取引法をはじめとした投資関連の法令の解釈運用に関しては、技術的な色彩が強く、また、政省令等の下位規範に委ねられているものが多く、
『証券六法』(証券関係法令研究会編・新日本法規出版)
を丹念に読み込むほかありません。
取引所のルール等に関しては、各証券取引所のウェブサイトや取引所発行のパンフレット等がわかりやすく作られています。
会社法(合同会社)、有限責任事業組合契約に関する法律、商法(匿名組合)、民法(組合)、資産の流動化に関する法律を用いるような特殊な投資事案に関しては、高度な法技術を用いていることや会計や税務が融合していることもあり、一般の弁護士ですら全く刃が立たないほど難易度が高い法分野といえます。
無論、会計士・税理士等で、ある程度法務面を研究している方もいますが、ルーティンな条文操作だけでなく、解釈や応用になってくると、法律専門家による知見が必要になります。
この分野の課題発見・解決のためには、弁護士、会計士、税理士といったチームを編成し、オール・ハンズ・ミーティング形式で多面的に法令調査を行うことが推奨されます。
債権管理上のリスクとして、時効に注意しておく必要があります。
時効には取得時効(一定期間の経過により所有権等を取得する類型の時効)と消滅時効(債権を取立等しないまま一定期経過することにより債権が消滅してしまう類型の時効)とがあります。
ビジネス活動において重要なのは後者の消滅時効であり、企業の取引に関する債権は商事時効が適用され、一般に5年で消滅します。
しかしながら、下記のとおり、企業が関わる事業活動や取引の種類によっては5年より短期の時効も多数ありますので、債権管理上のリスクとして正しく把握しておかなければなりません。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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