01311_消費者法実務>消費者向営業活動に関する個別法務課題>消費者法実務(フェーズ0)>課題概要と全体構造>課題と対応の基本

企業間で行われるコーポレートセールス(法人向営業)では、多くの企業は、漫然と民法・商法の適用を前提とした取引は実施せず、競争優位を確立するために、自己に有利な多数の特約を作り出し、契約関係に盛り込んでいきます。

しかし、コンシューマーセールス(消費者向営業)においては、対等な当事者間において予定されている自由な取引は一歩退き、消費者の利益を、法令が保護することになります。

特に、消費者契約法8条は
「事業者の損害賠償の責任を免除する条項の無効」
を規定し、さらに同法10条は、
「消費者の利益を一方的に害する条項の無効」
までも規定しているところであり、
「自己に有利な特約」
を締結したと思っていたものが、法令によって無効とされることがあります。

このように、コンシューマーセールスにおいては、自らの扱う商品やその供給形態が消費者を保護する法令の規律を受けるか、受けるとして、その法令の内容や行政処分例、裁判例はどのようなものがあるか、について十分に検討しつつ、ビジネスモデルを構築する必要があります。

民法商法等の一般的な規定のみに従ってビジネスモデルを構築すると、後になってから大幅な修正ばかりでなく、当該ビジネスモデルを断念せざるをえないという事態すら発生しかねませんので、注意が必要です。

【図表】(C)畑中鐵丸、(一社)日本みらい基金 /出典:企業法務バイブル[第2版]
著者: 弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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