01398_M&A法務>M&A法務(フェーズ4)>有事対応フェーズ>商事保全(新株等発行を巡る攻防)

敵対的買収者が現れた場合、有事における防衛策として、対象企業の現経営陣に友好的な第三者(ホワイトナイト)に新株等の発行をすることで、買収者の株式支配比率を相対的に希釈化(ダイリュート)する措置が採られることがあります。

これに対しては、買収者から新株発行差止めの仮処分が申立てられる形で攻防が開始されます。

この際、防衛側(対象企業側)の反論のポイントは、
「当該増資の目的(主要目的)が、経営陣の保身ではなく、事業推進のための資金重要を充足するためである」
という点になります。

例えば、ベルシステム24事件においても、裁判所は、会社側の事業計画を詳細にレビューした上で、現実の資金調達の必要性を認定し、差止請求を認めない、という結論を導いています(なお、同裁判例については、ビジネスに明るいとはいえない司法機関が、事業計画の合理性判断を行っていることに対する批判が強く存在します。その後のニッポン放送事件においては、裁判所は、この批判を慮ってか、事業計画の合理性判断を回避したともみられる裁判を行なっていることから、ベルシステム24事件の先例的価値についてはやや留意が必要です)。

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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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