01501_ゴーイング・コンサーン(「企業は永遠の生命を持つ」という前提ないし仮定)は、強引なコンサーン_4

「ゴーイング・コンサーン」
という言葉を聞かれた方がいらっしゃると思います。

これは、企業会計上の用語で
「企業が将来に渡って無期限に事業を継続する」
との理論的前提をいいます。

要するに、
「企業は永遠の生命をもち、決して廃業や解散・清算などをしないんだ」
という理屈です。

また、ゴーイング・コンサーンは
「企業は永遠に継続するのであるから、社会的使命・責任がある」
という意味で使われることもあるようです。

ところが、現実には、企業というのは結構あっさりつぶれちゃいます。

起業1年目で約30%近くが消滅するそうです。

また、よくいわれる指標が、
「5年後の生存率は約40%、10年後では約25%の企業しか生存していない」
というものです。

古いものになりますが、日経新聞が調べた倒産企業の平均寿命という統計データがあります。

1996年から2014年までの期間、毎年倒産した企業について社歴を調べ、これを平均化していったものです。

これによりますと、一番平均寿命が短かった年で15.9歳、一番長かった年でも24.5歳。

単純に平均すると21.5歳となります。

なお、これは
「きちんとした法的整理を行って死んでいった会社」
の寿命の平均です。

「きちんとした法的整理を行って死んでいった」
とは、
「それなりの費用を負担して、葬儀屋(破産申立をする弁護士)と読経する坊主(管財人弁護士)を雇い、葬儀場(破産裁判所)できちんとしたお葬式(破産手続という立派なセレモニー)を行って法人格をきちんと消滅させた」
という意味です。

世の中には、破産手続きをすることもなく借金を踏み倒して事実上休眠してしまうような会社、すなわち
「葬儀費用すらなくなったため、葬式を上げずに野垂れ死する」
といった会社も相当あります。

こういう“暗数”を含めると、日本の会社の平均寿命って、おそらく15歳以下であろうと思われます。

ちなみに、世界でも最も寿命が短い国といわれるシエラレオネですら、平均寿命が46歳を超えているそうです。

これと比較しますと、日本の会社というものの
「短命っぷり」
は相当なもんです。

以上からしますと、
ゴーイング・コンサーン、すなわち
「企業が永遠の生命を有する」
などという理論的前提は、
「相当、ゴーイン(強引)な仮説(コンサーン)である」
といえます。

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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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