昭和時代・平成時代初期においては、護送船団方式、すなわち
「行政機関は、許認可権限やこれに基づく行政指導などの権限(行政裁量権)を駆使して、業界全体をコントロールしていく」
という産業秩序が構築されていましたが、バブル経済崩壊後の1990年代後半ころから、状況が一変しはじめます。
1998年に、中央省庁等改革基本法が成立し、2001年を以てそれまでの1府22省庁は、1府12省庁に再編されることになりました。
加えて、このあたりから、規制緩和が推進され、
「護送船団行政」
やこれを支えてきた裁量行政は影をひそめ、行政機関の役割は厳格・適正な法の運用と執行に限定されるようになりました。
そして、規制緩和の流れと並行して、
「規制対応は企業の自己責任で行うべきもの」
とされ、かつ、
「規制違反行為に対しては厳しい事後制裁で臨む」
という運用が定着していくことになります。
さらに、これまでは日本の産業界において暗黙の了解事項として是認されてきたカルテルや談合についても、容赦ない摘発と、排除措置・課徴金・刑事罰・指名停止といった厳格な制裁が実施されるようになりました。
これにより、業界間の癒着自体が困難な状況となっていき、護送船団は完全に解体されたのです。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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