01610_企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(1)_言葉こそよく聞くものの、誰もよくわかっておらず、知ったかぶりのまま迂闊に手を出すと大やけどを負う、「難易度の高いビジネスプロジェクト」としてのM&A

最近、大企業のみならず中小企業等においてさえよく耳にするようになったM&Aですが、
「意識高い系」
の知ったかぶりのビジネスマンは、
「エムアンドエー」
といわず、
「エムエー」
というようです。

まあ、たしかに、英語風に発音すると、
「エム、ンエー」
みたいに聞こえますので、間違いはないのですが。

このM&Aですが、言葉こそ最近随分メジャーになりましたが、よく聞く割に、実はあまり知らない、
「知ったかぶりビジネスキーワード」
の代表選手のようなものです。

「営業不振で頭を抱え、起死回生を狙うが、どうも妙案が浮かばない、だけど、海外行くのもリスクだし、最後に残ったカネを使って、ミラクルな一手で、華麗な復活を遂げたい」、
そんなことを妄想する、やぼったいドメスティックな企業の社長が、突如、
「デューディリ(デューディリジェンス)」
「DIPファイナンス」
「プレゼントバリュー」
「DCF」
「EBITDA」
「EBITDAマルチプル」
「シナジー」
「PMI(ポストマージャーインテグレーション)」
なんて言葉を使いはじめます。

そして、この種の知ったかぶりの中小企業オーナーが、よくわからないまま手を出し、経験値の無さが災いし、ほぼすべて、無残に失敗します。

こうして観察しますと、
「M&A」
は、言葉こそよく聞くものの、誰もよくわかっておらず、迂闊に手を出すと大やけどを負う、
「難易度の高いビジネスプロジェクト」
と総括可能かと思います。

初出:『筆鋒鋭利』No.0105-1、「ポリスマガジン」誌、2016年5月号(2016年5月20日発売)

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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