有事において重要な戦術課題とは、
「時間的冗長性を確保すること(時間資源を確保すること)」
です。
相手が
「まずは、説明をさせてくれ。話をしに行く」
と、連絡をしてきたとしても、
「言いたいことがあれば、文書でよこせ」
と、応答するだけです。
相手に気を使う必要など、ありません。
敵対者には、何一つ情報を与えるべきではなく、それには、距離を置くのが一番なのです。
このようして時間を確保しながらも、当方では、弁護士が代理人として介入すべく、プロジェクトとして立件する準備をすすめます(ストーリーを構築していきます)。
弁護士が代理人として介入するまでの対処指針としては、
・なるべくこちらは口頭で
・しかもこちらからは事務的なもの以外、何も話さない
・相手からのメッセージについては、筆談を要求すること
です。
戦略合理性のためには、この対処を指針とすることが、肝要なのです。
同じ状況対処をして戦略優位性を構築している極めて利口な組織が2つあります。
中央官庁と銀行です。
役所や銀行は、口頭であれやこれやと高圧的にメッセージを出してきます。
そして、認識や見解を照会しても
「上に聞かなければわからない」
と、平気ですっとぼけます。
そして、役者や銀行は、メッセージの内容については、決して文書にはしません(証拠に残るから)。
他方で、役者や銀行からは、
「こんな文書を出せ」
「これに印鑑を押せ」
と、すべてにおいて文書を徴求します。
このような功利的対応を、そのまま自身に置き換えてみることです。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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