従業員を雇うとき、オーナー経営者は、知っておくべきことがあります。
それは、契約書と契約とは概念として別物だということです。
契約書がないから契約が存在しない、という関係には立ちません。
もしも、労働内容や労働時間等、労働契約について、従業員と揉めるようなことになった場合、相手方との間の契約関係については、いくつか解釈が成立し得えることもあり、
「契約の解釈」
という作業が争点となります。
もちろん、この
「契約の解釈」
については、我が方の説、相手方の説と整合しない可能性があり、最終的には、裁判所が
「契約の解釈」
に関して公権的に確定する権限を行使することになります。
ちなみに、労働基準監督署の行政指導は、公権的に確定する権限をもたず、いわば、お節介や、つぶやきや、ノイズとかのレベルの話です。
三権分立の原理からすれば、司法権をもつのは裁判所という奉行所であって、労働基準監督署という奉行所には権限がなく、お門違いのお節介、という位置づけになる、ということなのです。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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