任意整理において、額と期間の問題はトレードオフ課題で、
・長期になると、債務者が楽だが、債権者は応じない
・短期になると、債権者は落ち着く可能性があるが、債務者は辛い
という状況です。
(債務者にとって)イージーなプランは、結果、債権者の大半が、そっぽを向く、という帰結を生みます。
一例を紹介しますと・・・
債務者側は、絞りに絞っても、どうにも返済原資が出せず、かつ、民事再生も絶対嫌、というケースがありました。
当方(債務者側)から、超長期の返済計画を提案せざるを得ず、債権者の拒否を承知で提案しました。
債権者側である相手方のいくつかは同意しましたが、相当数取り残しが出ました。
最終的に、
・強硬な政府系債権者は、時効停止を延々と迫ってきて、
・その他の債権者は、サービサーに売却後、債権者側が時効管理をミスって、
時効完成という帰結です。
結果としては、当方(債務者側)の意図通りに近い帰結となりましたが、何とも不安定な状況で、また、強硬な政府系債権者のウンザリするような不幸の通知(時効停止通知)に辟易する、ということになりました。
債務者側は、このような状況にも全く動じず、腹がすわっており、この帰結に感謝していましたが、切れ味の悪い、スッキリしない状況を受け入れることとなりました。
上記は、
「”長期”で、結果的に債権者は応じた」
一例ですが、稀です。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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