英文契約を受け取ったら、英文契約書の言語的意味や内容や意義の解釈のプロセスを経由してから、署名します。
1 文書の言語は完全に理解しているか?
2 文書の言葉が理解できるとして、内容や意義は理解しているか?
これらについて、不安や疑義があり、積極的な確認ができていないようであれば、まずは、この点の確認、すなわち、“状況の認知と解釈”を先行すべきです。
3 翻訳と意味を把握する
ここまでは、
「署名の是非を問う“前”の環境整備」
となります。
4 署名をすることのメリット・デメリットの検証分析をする
論理的選択肢としては、
・署名する
・署名しない
・署名を放置する
・署名はするが、一定の限定ないし留保を付す
という態度オプションが抽出されます。
5 リーガルマターを確認
・文書に署名した場合、○○の援用という解釈を招きかねず、デメリットを生じる
・(デメリットを上回る)メリットがある場合や、署名をしない場合にリスクを招来する場合等が判明するなら、これは、選択課題、すなわち“経営判断課題”です。
6 経営判断課題である場合
経営判断課題を処理するにあたっては、全ての選択肢を抽出し、これにプロコン分析を加え、責任者に判断・選択を仰ぐ、というのが合理的なビジネスフローとなります。
以上を踏まえて、(弁護士に)質問や支援要請の意図や範囲を明確にした上での“選択課題”であるにもかかわらず、
「自分でもよく理解していない、普段使っていない言語により作成された文書への署名を求められていますが、署名してもしていいですか」
と、(まるでルーティン課題の確認が如く)質問される方がいらっしゃいます。
弁護士として判断できないことはさることながら、上長・責任者としても、判断材料がないため判断しようがなく、困惑するほか、ありません。
ご参考までに、
「00585_英文契約書のドラフトを受け取った場合の認知・解釈課題の対処手順」
を記しておきます。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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