著作権は、あくまで表現媒体や表現行為を保護するものであり、
「アイデアや筋書きそのもの」
は、保護の対象ではありません。
単に、着想やヒントを得たりするような程度のものであれば権利侵害とはなりません。
既存著作物の題材となっている“歴史的または社会的事実や自然現象”について著作したとしても、そのこと自体が著作権侵害となることはありません。
この点について、
「パクった疑惑をかけられた後発コンテンツを観た者が、既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得すること」
ができるか否か、を判断することになります。
後発コンテンツの改変の程度が甚だしく、既存の著作物の表現上の本質的特徴を直接感得できない程度まで至っている場合には、 “パクリ(翻案、二次的著作物)”ではなく、“全く新しいオリジナルコンテンツ”ということになります。
たとえば、
『隠し砦の三悪人』
という黒澤明監督の有名な映画があります。
~中略~
時間と空間とキャラクターを変えてみましょう。
「戦国時代の日本の秋月城」
を
「遠い昔の遠い銀河の宇宙空間に漂う惑星型攻撃要塞デス・スター」
に、
「悪辣で憎たらしいが強そうな城代」
を
「銀河皇帝パルパティーンの右腕であり、機械じみて冷酷非情で、無双の剣の使い手であるベイダー卿」
に、
「古武士の風情を漂わせた渋い老齢の元武将」
を
「銀河連邦元将軍のオビワン・ケノービ」
に、
「ひょろっと細長い従者その1」
を
「プロトコルドロイドC3po」
に、
「ずんぐりむっくりの従者その2」
を
「宇宙船や電子機器のオペレートのためのドロイドであるR2D2」
に、
「城の中に監禁されたお姫様」
を
「銀河連邦元老院議員にして、惑星ナブーの、気の強いレイア姫」
に、変えてみたらどうでしょうか?
詳細は、以下をお聴きください。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
【本記事をご覧になり、著者・所属法人にご興味をお持ちいただいた方へのメッセージ】
✓当サイトをご訪問いただいた企業関係者の皆様へ:
✓当サイトをご訪問いただいたメディア関係者の皆様へ:
✓当サイトをご訪問いただいた同業の弁護士の先生方へ:
企業法務大百科® 開設・運営:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所