02000_就業規則には普通解雇ができるとあるが中途採用社員を解雇できるか(教えて!鐵丸先生Vol. 44)

労働契約法16条は、
「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用(らんよう)したものとして、無効とする」
と明文で規定しています。

この条文は、
「解雇権濫用法理」
と呼ばれる著名な判例法理が法律の明文となった(昇格した)ものです。

要すれば、
「解雇の権利は、形式上・字面上、企業側に認められてはいるものの、そう簡単に使うことはまかりならん。仮に、イージーに解雇の権利を振り回したら、濫用した、との理由で、一切その効力を認めてやらんからな。わかったな、覚悟しとけよ!」
という法理です。

突如、このような解雇に関する規制が登場したわけではなく、昭和の時代からすでに確立していたルールが、平成15年の労基法改正で一旦同法にとりこまれ、その後、労働契約法の条文となったわけです。

要するに、昭和の時代から一貫してこのルールを前提に解雇規制を行ってきた、ということなのです。

この条文の基礎となった最高裁判決「高知放送事件」(最高裁昭和52年1月31日判決)では、次のような事情のあった事件についてすら、解雇が無効とされました。

ラジオ放送のアナウンサーが、
1 宿直勤務で寝過ごし、午前6時からの10分間のニュース番組を放送することができなかった。
2 その2週間後、再度寝過ごし、午前6時からの10分間のニュース番組を、5分間放送できなかった。
3 2回目の寝過ごしの際、上司から求められた事故報告書に、事実と異なる内容を記載した。

このように、経営者目線で
「こんなにヒドイ労働者はいない!  給料ドロボーどころか、周りにとっても迷惑千万極まりない!」
というような場合であっても、
「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」
には、解雇は無効とされます。

詳細は、以下をお聴きください。

https://audee.jp/voice/show/56149

「教えて!鐵丸先生」は、42分10秒~ です

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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