<事例/質問>
事業をやっている友人から借金を申し込まれたのですが、どう対応すべきでしょうか?
<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>
企業を経営していると、知人や友人から
「金を貸してくれ」
「保証人になってくれ」
といった依頼が舞い込むことがよくあります。
最近ではコロナの影響で苦しいという理由が多いです。
依頼には
「来月には返せる」
「一時的な資金ショートだから」
「絶対迷惑はかけない」
といった言葉がついてきます。
しかし、事業をしている会社が友人に金を借りに来るというのは、銀行が既に見放した証拠です。
銀行が見放すのは、既に相当迷惑をかけているからです。
こういう話にまともに取り合うと、身を滅ぼします。
助けを求めてきた知人や友人を見放すのは心苦しいかもしれませんが、適度な見舞金を渡して追い返すのが得策です。
例えば、ある経営者は
「大変だな。同情するが、これしか持っていない。見舞金として取っておいてくれ」
と言って10万円以内の額を渡して帰ってもらうそうです。
こうしたシビアな対応が、現代の経営者には必要です。
事業をしている会社が友人や知人に金を借りに来るのは、一時的な資金不足ではなく、構造的な資金難が多いです。
これは
「お前はもう死んでいる(=会社がゾンビ状態)」
ということなのです。
キャッシュフローネガティブや債務超過の状況では、弁護士の介入が必要です。
したがって、借金を申し込まれたら、カネを貸すよりも弁護士を紹介する方が良いでしょう。
また、売掛金の未精算がある場合、それ以上の取引は控えるべきです。
信用のない相手に掛売りを続けるのは無担保融資と同じリスクがあります。
銀行が返済できない相手に追加融資をしないのと同様に、事業者もリスクを増やさないことが大切です。
銀行の慎重な姿勢を見習いましょう。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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