02015_ネットでの誹謗中傷に対する法的対処(教えて!鐵丸先生Vol. 23)

<事例/質問> 

ネットで誹謗中傷されました。

全くの事実無根で、何から何まで間違いのことが書かれています。

これはスルーするしかないのでしょうか?

法的に対処出来る場合はどのようにすれば良いか教えて頂きたいです。

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

事実無根の誹謗中傷をされた場合、まず考えるべきは、書き込みを削除させること、そして損害賠償を請求することです。

ただし、これを実行するには誹謗中傷を行った相手を特定する必要があります。

相手の住所や氏名がわからなければ、裁判を起こすこともできません。

誹謗中傷をしている相手がはっきりわかっている場合は、内容証明を送りつけるなり、裁判を起こせば良いでしょう。

しかし、匿名掲示板やSNSで書き込まれている場合は、掲示板運営者やSNS事業者、インターネット接続業者に発信者の情報開示を請求することになります。

しかし、これらの事業者は通信の秘密を守るため、簡単には情報を提供してくれません。

通信の秘密は憲法でも保障されており、法的に情報を開示させるには裁判所の命令が必要です。

発信者の特定には時間とコストがかかり、損害賠償請求までたどり着いても、得られる賠償金額は僅かです。

その間にも、誹謗中傷の書き込みが増える可能性があります。

また、明らかな違法行為でない場合は、裁判で敗訴するリスクもあります。

そのため、法的手段に頼るのはハードルが高く、コストパフォーマンスが悪いです。

別のアプローチとして、
「言い返す」
という方法もあります。

完全に事実無根の誹謗中傷であれば、証拠を示して反論するのです。

例えば、
「あなたは大学を出ていないし、弁護士でもない」
と言われたら、東大の卒業証明書や弁護士登録の証明書をネットにアップすれば良いのです。

法律や裁判に頼るのは弁護士の営業手法としては正しいかもしれませんが、普通に言論市場でやり返すことも有効な方法です。

まずは事実を証明する証拠を提示し、誹謗中傷がデタラメであることを公に示すことで、迅速かつ効果的に対応できます。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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