<事例/質問>
弁護士もののドラマをよくみますが、ドラマの中の弁護士と現実の弁護士とではどんなところが違うのでしょうか?
プロの弁護士の方が、弁護士もののドラマをみていて違和感があったら、教えて下さい。
<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>
ドラマには六法全書をすべて覚えている弁護士が登場しますが、これは全くの嘘です。
法令の数は膨大で、法律だけでも1960本あり、法令全体では8284本にもなります。
こんな量を覚えることは不可能です。
実際、司法試験の論文試験には六法の持ち込みが可能で、試験会場には試験用六法が置かれています。
つまり、覚える必要はないのです。
あるドラマで、偽弁護士が
「特定商取引法の◯条」
と即答するシーンがありますが、これはあり得ません。
特定商取引法は司法試験科目に含まれていませんし、現実の弁護士がすらすら答えることはありません。
また、弁護士が法律大好きで勉強中毒というイメージも誤りです。
多くの弁護士は勉強が嫌いで、要領よく目先の利益を追求するちゃっかり者が多いです。
頻繁に改正がある法律の知識はアップデートされず、合格時点の知識で仕事をこなす弁護士も少なくありません。
ドラマで描かれない現実の場面として、ギャラの取り決めやギャラでの揉め事、失敗した弁護士が依頼者から詰め寄られる場面があります。
刑事事件では、被告が罪を認めて情状弁護に終始するケースが多く、逆転無罪のようなドラマチックな展開は稀です。
弁護士の重要な役割は、被告人の家族から資金を集めて被害者と示談を成立させ、被害者に寛大な処置を求める文書を作成してもらうことです。
こうした現実を理解しながら、ドラマを楽しんでください。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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