02021_裁判官にも個性がある?変わった裁判官の話(教えて!鐵丸先生Vol. 29)

<事例/質問> 

裁判官というと、みなさん、だいたい同じように真面目でしっかりしていて、コンサバなイメージですが、プロの弁護士としてご覧になっていて変わった裁判官とか理解に苦しむような裁判官っているのですか?

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

裁判官といえば、真面目で堅実なイメージがありますが、実際には変わった裁判官もいます。

プロの弁護士として見てきた経験から、少しご紹介しましょう。

行政官僚と裁判官は、バックグラウンドや試験科目が似ており、どちらも東大や京大などの難関大学出身が多いです。

行政官僚は
「法律による行政」

「絶対的上命下服」
の原理で厳しく規律されています。

しかし、裁判官はその反対で、憲法76条3項により
「独立して職権を行う」
とされています。

つまり、裁判官は自分の良心に従い、誰にも指示されずに仕事を進めることができます。

そのため、裁判官の中には個性が強く、独特な判断をする人もいます。

例えば、
「東京地裁の藤山コート」
という言葉が法曹界では有名です。

1999年頃、東京地方裁判所の行政専門部の1つである地裁民事3部に、藤山雅行という裁判官がいました。

彼は国側に不利な判決を連発し、
「国破れて山河在り」
にちなみ
「国破れて3部あり」
とまで言われました。

彼の裁判部で訴訟を起こそうとする原告側が多く、何度も訴え提起と取り下げを繰り返すという噂もありました。

裁判官は非常に自由に自分の判断を下すことができます。

地裁の一裁判官でも、誰の命令も受けず、独自の解釈で法を運用します。

そのため、裁判官の個性や判断基準が大きく影響するのです。

実際、裁判官の中には常識や良識が通じない、非常に独特な方も少なからずいます。

司法試験に合格したエリート裁判官は、日本に約2800名いますが、その中には常識的な方もいれば、非常に個性的な方もいます。

こうした裁判官の存在が、裁判の予測を難しくし、奥深いものにしているのです。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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