02058_融資に備えての事前準備

企業が融資の話を受ける際、迅速かつ的確に対応するためには、事前に必要な情報を整理し、準備を整えておくことが重要です。

これには、IM(インフォメモ)やIP(インフォパック)と呼ばれる資料の準備が含まれます。

これらの資料は、M&Aの際に売却予定の企業の重要情報を整理するもので、買収を検討する企業が次のステップに進むかどうかを判断するための重要な資料です。

IPは、M&Aだけでなく、融資の際や特定調停の話し合い、さらには各種ファイナンスディールにも活用できる多用途なものです。

いわば、お見合いにおける
「お見合い写真」

「釣り書」
に相当するものです。

例えば、良い縁談が舞い込んだときに、後からダイエットやエステ、写真館での撮影を始めていては、時間がかかり過ぎてせっかくのチャンスを逃してしまいます。

戦略的に良縁を手に入れるためには、事前の準備が欠かせません。

企業の場合も同様で、以下のような情報をあらかじめ整理しておくことが必要です。

1)会社の定款
2)会社案内
3)製品やサービスのパンフレット
4)ビジネスモデルをわかりやすく説明したテキスト
5)3~5年分の財務諸表
6)3~5年分の税務報告
7)過去12~36ヶ月の月次財務諸表
8)会社組織図、子会社や関係会社一覧
9)主要取引契約書
10)会社沿革
11)株主名簿
12)社員名簿(主要代理店や加盟店責任者の職歴書、職務規定を含む)
13)製品とサービスの売上・利益・販売先等の情報
14)稼働している代理店や出先サービス店舗のリスト
15)経営計画(中期計画や年度計画)
16)部門別計画書
17)業界の状況や、企業の強み・弱み・立ち位置を客観的に記述したレポート

これら情報は、企業の状況や将来計画を明確に示すための
「備え」
として、常に最新の状態に保つことが求められます。

これにより、突然の機会にも迅速に対応でき、ビジネスチャンスを逃さないようにすることが可能になります。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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