ビジネスを進める際に、細かい点にこだわりすぎたり、準備を先走ったりして、肝心な部分が固まっていないまま弁護士に相談する人は少なくありません。
しかし、そもそも
「何を、どのような形で取引するのか」
が決まっていなければ、弁護士と議論しても意味がないのです。
取引の基本的な骨子が不明確な状態では、いくら法的なアドバイスを受けても、無意味になってしまう可能性が高いです。
ビジネスの一般的な取引の流れを考えてみましょう。
1 まず「何を、いくらで取引するのか」を合意する
2 次に、それが税務上・法律上、問題なく実現できるどうかを検討し、大かな枠組みを作る
3 最後に、詳細を契約書などの正式な文書に落とし込む
この流れに沿っていないと、余計な時間とコストがかかるだけでなく、話がまとまらなくなることもあります。
例えば、
「結婚するかどうかも決まってないのに、結婚式場を予約したり、新婚旅行の手配をしたり、新居を探したりする」
のは早すぎますよね。
相手がまだ結婚に踏み切れない状況で、いくら準備を進めても、肝心の結婚自体が成立しないかも知れません。
ビジネスでも同じことが言えます。
まだ店を開くかどうかも決まっていないのに、店舗を借り、内装を仕上げ、スタッフを使い、チラシまで印刷してしまったら、
「そもそもこのビジネス、本当にやる意味があるのか?」
と悩むことになりかねません。
弁護士に相談する前に、まずは
「この取引の目的は何なのか?」
を明確にしましょう。
方向性がはっきりしないまま、契約の詳細や法的なリスクについて議論しても、意味がありません。
時間や費用を無駄にしないためにも、まずは基本をしっかりすることが大切です。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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