日本企業の中には、低迷が続く日本の資本市場に限界を感じ、
「近隣の、より整備が進んだ資本市場において株式を公開し、資金調達の前提を整える」
といったことを具体的に検討する企業が増えています。
そこで、本節では、先進的金融マーケットを有する香港やシンガポールの資本市場への参入を検討する場合における企業法務(経営サポート法務)上のポイントを概説していきます。
香港の資本市場
イギリス軍による1841年の占領以降、イギリス資本主義の下、世界貿易の中心地として発展してきた香港ですが、資本市場の特徴として、
1 会計帳簿、監査報告書の強固な信頼性、
2 経験豊かなアドバイザーが多く、各種プロセスに透明性があること、
といったことが挙げられます。
香港における株式公開状況ですが、2013年4月時点において、その取扱い株式の時価総額はいまだ東京証券取引所の70%程度に留まります。
しかしながら、外国企業の上場数、機関投資家や個人投資家の質、数、取引所に占める外国企業株式の時価総額の比率等を考えれば、遠くない将来、低迷する日本市場を追い抜くとも考えられています。
香港の証券取引所は、チャイナ・モバイル、香港上海銀行、中国石油といった大企業が上場する
「メイン・ボード」
と呼ばれる
「大規模かつ安定事業基盤を有する企業(日本でいう一部上場企業に相当)」
向けの市場と、GEMと呼ばれる
「それ以外の企業(日本でいう二部上場企業等に相当)」
向けの市場があります。
GEMにおける上場基準は以下の図のとおりであり、スポンサーと呼ばれる香港証券取引所から認定された証券会社が審査して上場適格と判断し、これに香港証券取引所が異議を述べなければ、上場することができます。
日本の上場手続と比較しても短期間で実施することも可能です。
運営管理コード:CLBP675TO676
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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