01509_仕事の効率性向上にもっとも重要な環境整備

経営にスピードが求められる現代の企業活動においては、活動の効率性はもっとも重要な課題となります。

そして、仕事ないし作業の効率性を改善するのにもっとも必要なのは、環境の改善です。

仕事ないし作業の環境が低下し、しかもこれを放置しているということは、
「企業が効率を意識していない経営を行っている」
という意味であり、今の時代、そういう経営が許されるのはお役所くらいです。

かの有名な織田信長は、大変なきれい好きで、部下に徹底的に掃除と整理・整頓をさせ、自分のゆくところ、塵一つない状態を要求したそうです。

また、M&Aによる企業再建の名手と呼ばれる日本電産の永守会長も、再建のため乗り込んだ企業には、トイレを素手で掃除させるなど徹底した掃除をさせ、環境整備を改善するところからはじめるそうです。

さらに卑近な事例を挙げますと、
「飲食店でトイレの清掃を怠っていて不潔なところはすぐつぶれる」
という経験則がありますが、このルールは結構な確率で当たっています。

このように、成長する組織のリーダーほど、仕事の環境整備が事業効率に直結することを理解しており、整然として清潔な職場を徹底して追求します。

逆に、仕事場の環境整備や整理整頓をいい加減にする企業の未来は極めて貧弱である、と言えるのではないでしょうか。

特に、机の上や書類棚というのは机の主のアタマの中をそのまま投影します。

社長室が雑然としているというのは、社長のアタマが混乱しているということを示しています。

こういう汚いオフィスで仕事をしている社長は、必ず
「忙しい」
を連発します。

「忙しい」
とは、
「心」を「亡くす」
と書きます。

汚れたオフィスで仕事している社長は、
「ゴールもマイルストンもロードマップも明確にみえており、儲けるための算段も段取りも完璧に整っているが、ただ時間だけがない」
という状況ではありません。

混沌としたオフィスで仕事をして
「忙しい」
を連発する会社は、単に思考整理ができず、精神が混乱しているだけなのです。

会社の行く末を決定するトップの頭脳が混乱した状態(いわば、殿が「ご乱心」の状態)で会社が生き残れるわけはありません。

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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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