昭和ないし平成初期の護送船団行政の時代であれば、官庁主導による保護育成と業界協調体制による救済がありました。
法務だのコンプライアンスだの細かいことに目くじら立てなくても、慣行と業界の相場感に従い、それでもわからなければお上の指導に依存していれば安泰でした。
すなわち、かつては、管理や法務は無視して、営業だけをしていればよかったのです。
ですが、現在においては、どんどん小さくなってくパイを奪い合う状況となり、しかも
業界「協調」
ではなく
業界「競争」
こそが正義とされています。
こんな世知辛い時代においては、法令違反の不祥事でも起こそうものなら、
「これ幸い」
と同業者からよってたかって市場から叩き出されます。
また、中小企業においては、常に余裕がない状態での経営を行っていますから、ちょっとした危機であっても、これを乗り越えられる体力がありません。
余裕のない中小企業が、たとえば
「ビジネスは信頼だ。契約書など必要ない!」
などという法務やコンプライアンスを無視ないし軽視する形で経営し、その結果、これが原因で回収事故でも起こしてしまったら、たちまち破綻に追い込まれます。
このように、企業全体としての管理課題や、法務に関するコントロールをサボり、営業に特化・傾斜して暴走する企業は、今後の生き残りという点で、大きなリスクを抱えているといえるのです。
運営管理コード:YVKSF146TO148
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
【本記事をご覧になり、著者・所属法人にご興味をお持ちいただいた方へのメッセージ】
✓当サイトをご訪問いただいた企業関係者の皆様へ:
✓当サイトをご訪問いただいたメディア関係者の皆様へ:
✓当サイトをご訪問いただいた同業の弁護士の先生方へ:
企業法務大百科® 開設・運営:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所