01540_ビジネスにおいて重視すべきは、「現」のつくもの。現場、現物、現金、現実。

生き残る企業の経営者たちは、例外なく徹底したリアリストです。

彼らは、自分の見たいと思う現実、すなわち自分の主観を排除して、物事を客観的に観察し、徹底して現実に即したジャッジをします。

そして、そんな経営者たちが最も大事にするものは、
「現」
のつくものです。

現実、現場、現物、現金。

生き残る企業の経営者たちはこれらを決しておろそかにしません。

他方、倒産するような企業の特徴は、これとまったく逆です。

つまらない現実よりも、根拠のない、壮大な計画が大好きで、いつもこれに振り回されています。

また、遠くて汚くて細かい話ばかりの現場は大嫌いで、綺麗な机の上で遠大で抽象的な話をしたがります。

現物を直接手にして右から左に動かす取引は、たとえそれなりに儲かっていても、手間がかかり、利益も少ないと言っては突然放棄してしまい、ネットビジネスや人工知能や仮想通貨や太陽光やデリバティブや海外進出やM&Aのような、実感のないビジネスで大きく儲けることを夢見ます。

さらに、現金と債権は常に同じと考えており、ろくに信用管理・債権管理をせず、商品やサービスを提供し、請求書を送っただけで、現金を手にしたのと同じと考えています。

言うまでもなく、
「現」
を大事にせず、地に足のつかない話を追いかけるような方々はすべからく失敗し、最後には、時間も労力も無駄にし、財産をなくします。

ビジネスをやったことのない多くの方は、
「お金持ちやリーダーというのは、綺麗なオフィスの高価な机の上で、大所高所の議論をし、適当な指示を伝えるだけだ」
などと勝手な想像をしておられるかもしれません。

しかし、実際には、優秀なリーダーになればなるほど、常に正確な情報を大量に収集し、これらを緻密に整理し、自分の主観を交えず外部の専門家の意見を得て客観的に分析・検証し、現場に出向き、最前線に立ち、末端に至るまで事細かな指示を出し、経過や進捗を頻繁にチェックするものです。

いずれにせよ、地に足のつかない話に踊らされるような知的水準に問題のある経営陣が経営する会社というのは長期的に見て淘汰されます。

本業が痛んでいるにもかかわらず、起死回生の策などと称した、現実味のない話が出てきて、浮ついているような会社などは、その多くが近い将来倒産するか、倒産の危機に陥る可能性が高いものと推定されます。

運営管理コード:YVKSF209TO212

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

【本記事をご覧になり、著者・所属法人にご興味をお持ちいただいた方へのメッセージ】
当サイトをご訪問いただいた企業関係者の皆様へ
当サイトをご訪問いただいたメディア関係者の皆様へ
当サイトをご訪問いただいた同業の弁護士の先生方へ

企業法務大百科® 開設・運営:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

弁護士法人畑中鐵丸法律事務所
弁護士法人畑中鐵丸法律事務所が提供する、企業法務の実務現場のニーズにマッチしたリテラシー・ノウハウ・テンプレート等の総合情報サイトです