最近では、中東における緊張状態が連日報道されていますし、ウクライナにおける代理戦争のようなロシアとEUとの暗闘状態が垣間見えたりしますが、今から、30年から40年ほど前までは、米ソが、世界を舞台にして、一触即発のガチの睨み合いの真っ最中でした。
本格的な殴り合いはないものの、今にも殴り合いがはじまりそうな、みていてハラハラするような
「ガンの飛ばし合い」
を、
「冷戦」
などといっていました。
このように世界が緊張状態のまっただ中にある中、アジアにおける西側世界の
「代貸し」ないし「若頭」的地位
にあった日本は、アメリカという
「組長」
の庇護の下、
「フツーのものをフツーの値段でフツーに作れる」
という稀有な工業国家として、
「世界の工場」
の地位を築き上げました。
経済はインフレーション傾向にあり、作っても作ってもモノが不足し、作ればすべてモノが売れる時代でした。
現在のように、マーケティングだの営業戦略だの細かいことをグダグダ考えなくても、気合を入れれば、なんとか需要家がみつかり、あとは押しの一手で在庫を持ってもらうことができる、そんな時代でした。
そういう時代においては、能書きたれるよりも行動こそが重要で、まさしく営業は気合であり、根性だったのです。
この時代、売上とは、
「営業マンの数×一人当たり売上」
で計算されました。
いかに多くの営業マンを採用するか、そして、いかに営業マンを働かせるか、が重要だったのです。
しかし、1989年、ベルリンの壁が崩壊し、冷戦が終了し、世界市場が単一化し、供給が過剰になりはじめました。
そして、東欧諸国や南米や中国が競争に参入し、圧倒的な価格競争力で
「世界の工場」
という地位を日本から奪取しにかかります。
加えて、日本国内においては社会が成熟し、デフレ・低成長時代になり、モノ余りが顕著になっていきました。
初出:『筆鋒鋭利』No.091-2、「ポリスマガジン」誌、2015年3月号(2015年3月20日発売)
著者:弁護士 畑中鐵丸
著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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