ベンチャー企業の中には、大手企業からの指示で、大きな売り上げの見込みをエサにさんざんパイロット商品を作らされた揚げ句、担当者の
「やっぱ、やめた」
の一言で、突然、契約の締結を拒否され、その結果、莫大な損害を被るところが少なくありません。
こういう場合、大抵の大手企業側は、一切ペーパーを出さず、言質を取られず、責任者といってもペーペーの担当者がうろちょろするだけで、社長や役員は出てきません。
ベンチャー企業サイドは、売上が欲しいばかりに、米つきバッタのように、頭を下げ、大手企業からの発注を期待し、ありとあらゆる無理難題をのみ、発注書や依頼書等の書類の裏付けが一切ない状態で、お金や人的資源をつぎ込み、テストを実施し、サンプルを作り、さらには、初期在庫まで作らされます。
その挙げ句、技術の発展や顧客嗜好や市場トレンドの変化のため、初期在庫が陳腐化したので、要りませんので、買いません、と言われ、当該ベンチャー企業は、最悪倒産する、ということもあり得ます。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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