下請法は、適用対象となる下請取引について、発注元会社に対し
「下請代金の減額」や「買いたたき」等
の
「11の禁止事項」
を命じており、そのうちのひとつとして、
「正当な理由なく自己の指定する物を強制して購入させること」
を禁止しています(物の購入強制の禁止。同法4条1項6号)。
違反した発注元会社には、公取委による警告や勧告措置等が待っています。
ここにいう
「正当な理由」
とは、例えば、
「下請業者に発注した製品の品質を一定に保つために、発注元会社が自社製原材料の(適正な価格での)購入を要請する場合」
などが挙げられますが、今回のように、単に自社の在庫の消化を目的としているような場合には、正当な理由があるとは認められません。
また、
「強制して購入させること」
とは、下請業者による上辺だけの
「任意の了承」
の有無で決まるわけではなく、発注元会社としての強い立場を利用し、物の購入を取引条件に組み入れさせる場合はもちろん、事実上、物の購入を余儀なくさせているような場合も含まれます。
典型例としては、
1 発注担当者など下請取引に影響を及ぼし得る者が購入を要請する場合
2 下請業者ごとに目標額や目標量を定めて購入を要請する場合
3 購入しなければ不利益な取扱いをする旨を示唆するような場合
4 下請業者が反対したにもかかわらず重ねて購入を要請する場合
等が挙げられます。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
【本記事をご覧になり、著者・所属法人にご興味をお持ちいただいた方へのメッセージ】
✓当サイトをご訪問いただいた企業関係者の皆様へ:
✓当サイトをご訪問いただいたメディア関係者の皆様へ:
✓当サイトをご訪問いただいた同業の弁護士の先生方へ:
企業法務大百科® 開設・運営:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所