<事例/質問>
契約書はどうしても作らなければならないのでしょうか?
弁護士に以来すると、お金もかかるし、相手も信頼できそうなので、契約書なしで先に進めたいのですが。
<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>
契約書を作ることは法律で強制されているわけではありません。
契約とは約束であり、その約束は口頭でも成立します。
契約書は、約束の記録に過ぎません。
たとえば、ゴルフを仲間内で楽しむとき、スコアをつけるかどうかは自由です。
契約書も同様に、記録を残したいなら作ればいいし、不要なら作らなくてもよいのです。
ただし、これが大規模な取引や多額の金銭が関わる場合には、事情が異なります。
「信頼関係で取引するので契約書は不要」
と考えることもあるでしょう。
また、弁護士を通すと面倒になり、契約書を作ると手続きが遅れるといった懸念もあります。
しかし、信頼関係だけで進めることができるのは小額な取引に限られます。
数千円や数万円の話なら問題ないかもしれませんが、億単位の取引となるとそうはいきません。
契約書を作成することで、
「契約が存在したこと」
や
「契約の具体的内容」
を示す証拠が残ります。
これは、後々のトラブル防止に非常に重要です。
特に、大規模な取引では小さな勘違いや食い違いが大きな問題となり、億単位の損失を招くこともあります。
実際のビジネスでは、些細なことが原因で
「言った言わない」
の争いが起きることは日常茶飯事です。
これを避けるためには、多少の時間とコストをかけてでも契約書を作成し、合意内容を文書化することが大切です。
要するに、法的には契約書が必須ではありませんが、大切な取引や大金が関わる場合には、トラブルを未然に防ぐために契約書を作成することが賢明です。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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