会社を経営していると、雇っている従業員が業務中にけがをしたり、業務の内容が災いして病気になってしまったりする場合があります(場合によっては、通勤中に自動車事故に巻き込まれるといったこともあります)。
このような労働災害が発生した場合、会社は当該従業員に対し、会社の費用で必要な療養を行わなければなりません(労働基準法75条)。
また、業務中のけがなどが原因で会社を休まなければならない場合には、法律で定められた一定の
「休業補償」(同法76条)等
も行わなければなりません。
これは、
「会社は、日頃、従業員が働いてくれることによって大きな利益を得ているのだから、いざというときは従業員を手厚く補償すべきである」
という理念に基づくものです。
なお、
「何が労働災害に該当するか」
については細かい規定はなく、これまでの裁判例の積み重ねによって判断されることになりますが、概ね、
「1 業務遂行性」
と
「2 業務起因性」
という2つの条件が必要であるとされています。
「業務遂行性」
とは、労働者が労働契約に基づき、使用者の支配下において働いているときに負傷などが発生していることを指し、
「業務起因性」
は、業務と負傷との間に相当の因果関係があるかどうかを指します。
労働災害の認定を行っている労働基準監督署でも、この
「業務遂行性」と「業務起因性」
の2つのファクターを踏まえた認定を行っています。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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