いざ、労働災害が発生してしまった場合、会社は、けがの具合によっては多額の治療費や休業補償等を払うことになりますが、ただでさえ人手が足りず、経営も資金繰りも厳しい会社にとってみれば、果たして“手厚い補償”をしてあげられるかどうかあやしいところです。
他方、けがをした従業員にとってみれば、会社の経営不振が理由で治療費も払ってもらえないとなれば、これまで真面目に働いてきた甲斐がありません。
そこで、労働者災害補償保険法は、1人でも従業員を雇っている事業者(個人、法人を問わない)に対し、強制的に労災保険への加入手続を行わせ、全額事業者負担の保険料を納付させることを義務づけました。
なお、故意に労災保険に加入しなかった場合や、事業開始から1年以上加入しなかった場合には、厳しいペナルティが課せられる場合がありますので注意が必要です。
すなわち、これまでの未納保険料と追徴金(10%分)を支払わなければなりませんし、場合によってはすでに支払われた補償額分を求償されてしまうことになるかもしれません。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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