特許庁に登録していないノウハウでも、特許権と同様にすべてが保護されるのかというと、そうではありません。
不正競争防止法によって、差止請求等ができるのは、ノウハウが一定の要件を充足する場合、これが不正競争防止法上「営業秘密」に該当するものとされ、同法2条6項によって
「取得した営業秘密を使用し、又は開示する行為」
が不正競争とされるからです。
「営業秘密」
に該当するかどうかは、
1 非公知性
2 有用性
3 秘密管理性
の3つの要件によって判断されます。
つまり
「世間に知られていない、商売に使うことのできるノウハウで、秘密としてちゃんと管理されているもの」
に限定して、これを不正競争防止法上保護しようと考えているわけです。
裁判所では、特に
「秘密管理性」
が認められるか問題になるケースが多く、
「当該情報が、客観的に秘密として管理されていると認識できる状態にあることが必要であり、具体的には、
1 当該情報にアクセスできる者が制限され、
2 アクセスした者に当該情報が営業秘密であること
が認識できるようにされていることが必要である」
とされています(東京地裁判決2000<平成12>年9月28日)。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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