下請法は、下請取引が公正に行われることによって、下請事業者を保護しようという目的で制定されました。
そこで、下請法は、親事業者によって下請事業者に対し従前より行われていたものの、その力関係から泣き寝入りしていた行為、つまり、買いたたきや下請け代金の減額、下請代金の支払いを遅延することや作らせておいた商品の受領を拒否すること、不当に返品すること、物を強制的に購入させたり下請事業者の従業員を強制的に働かせたりすること等を禁止しています。
また、口頭発注によるトラブルを未然に防止するため、親事業者は発注に当たって、発注内容を明記した書面を交付しなければなりません。
具体的には、
1 親事業者と下請事業者の名称
2 委託を行った日付
3 下請事業者による作業内容
4 納入日
5 納入場所
6 納入物の検査をする場合はその検査が完了する日
7 下請代金の額
8 下請代金の支払期日の他、手形決済の場合等特別の約束がある場合には金額や期日等
をさらに明記する必要があります。
この書面交付義務に違反すれば、50万円以下の罰金が課せられます。
たしかに、下請法に規定されている罰則は、書面交付義務に違反した場合で、しかも、罰則内容は、最大でも50万円の罰金しかありません。
しかし、下請法に違反した場合は公正取引委員会及び中小企業庁による勧告や公表が行われると規定されています。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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