00518_破産手続の概要

会社が経営破綻や重度の経営不振に陥った際に利用される手続きには、破産手続きだけではなく、会社更生手続きや民事再生手続きなどの裁判所における法的手続きのほか、広い意味での倒産処理手続きとして私的整理や倒産ADRなどの手法もあります。

このうち、破産手続きは、
「破綻会社の息の根を止めて、わずかに残った財産を清算し、債権者みんなで山分けする」
もの(清算型)ですが、既に破綻に陥っており、債権者全員に全額弁済するなどということは期待できず、弁済率は極めて低いのが通常です。

ですので、このような破産手続きで最も重視されるべきは、
「残余財産を公平に分配すること」
になりますから、間に裁判所が入り、第三者である破産管財人に破綻会社の清算業務の一切を任せるとともに、公平な分配等処理がなされているかどうかについて都度チェックを行う、という仕組みが採用されています。

破産管財人は、通常、経験ある弁護士が就任しますが、その権能は個人会社の一人代表のように強大なものであり、また、会社法も民法も適用が排除され、破産法が幅を利かせるという、通常の取引法とは大きく異なる一種の治外法権となっています。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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