会社の代表取締役って独裁者のイメージがありますが、実は、取締役の選挙によって選ばれているに過ぎません。
ですから、大昔、某有名デパート会社であったように(最近では、某大手通信機器メーカーや、某超大手自動車会社でもあります)、ワンマン社長がある日突然解任されることだってあります。
なお、最近では、執行役制度や委員会制度というのが登場しましたが、多くの会社で採用されているのは上記のようなシステムです。
一般に会社を切り盛りする人として話の中で社主や会長や社長や重役ってのがでてきますが、会社法の世界では、取締役、代表取締役や執行役というタイトルにしか意味がありません。
例えば、会社間取引で、会社の中で偉そうにしている会長が
「○○株式会社会長△△△△」
と署名・押印しても、その会長が代表取締役でない限り有効な会社の代表行為とはなりません。
逆に、社主や会長や社長の前でもどんなにヘーコラしている副社長がいても、その人が
「代表取締役副社長」
というタイトルを持っている限り、10億円でも100億円でも会社を代表して手形を振り出せます。
このように、会社法においては、徹頭徹尾、形式タイトルがモノをいいます。
実際の会社運営と法的形式はかなり乖離することがありますが、このような乖離があるからこそ、
「法常識」
と
「一般常識」
のひずみを利用した会社の乗っ取り劇とか、クーデターとかが起こるわけです。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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