「会社で一番エライのは誰ですか?」
というと、たいてい
「社長」
とか
「会長」
とかの答えが返ってきますが、会社で一番エライのは代表取締役や取締役ではありません。
会社で一番エライのは会社の株式を持つ所有者たる株主であり、株主の意思決定機関である株主総会です。
代表取締役とか取締役ってエラそうに見えますが、株主総会で選ばれなければただの人です。
また、株主がムカつけば、取締役や代表取締役といえども、いつなんどきでもクビを切られても仕方がない、そんな存在なのです。
当然、代表取締役や取締役だからといって、会社を私物化していいわけはありません。
報酬すらも株主総会で決議される建前になっています。
会社を私物化したり、アホなことをして迷惑をかければ会社に賠償をしなければなりません。
これが取締役の会社に対する責任といわれるものです。
これらのことは、日産自動車某会長の
「盛者必衰の理」
そのまんまの凋落劇をみれば、容易に理解できるところです。
取締役が会社に損害を与えておきながら素知らぬ顔を決め込もうとし、仲間の取締役からも
「身内びいき」
で責任追及されないとなると、株主が会社を代表して問題取締役に賠償請求をすることになります。
これが
「株主代表訴訟」
といわれる制度です。
株主代表訴訟というのは、取締役が、ただの
「番頭」
に過ぎず、いい加減なことをして会社に損害を与えると、旦那さん(オーナー)、すなわち
「株主」
から、ヤキを入れられる、というものです。
この制度は、
「会社で一番エライのは代表取締役や取締役ではありません」
「会社で一番エライのは会社の株式を持つ所有者たる株主であり、株主の意思決定機関である株主総会です」
という本質を如実に物語っています。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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