自分のトラブルを裁判官にプレゼンする際、当該事件が
「裁判官にとって好まれる処理しやすい事件 」、
すなわち思考経済の負担が軽い事件に思わせるのは、事件の終盤ではなく、初動段階においてです。
多くの事件を抱え、その効率的処理に日々頭を悩ます裁判官は、アレコレ悩むより、最初に見通しを決めてしまい、その見通しを最後まで維持したがっているのです。
したがって、事件の冒頭で
「悩まなくていいですよ。当方を勝たしても全く問題ありません。ほら、これだけ根拠も証拠もありますし、法律を離れても妥当性と合理性に適う結論ですよ。ほらほらほら、安心して、こちらの言い分に乗っかっていいですよ」
とささやくように明示または黙示にプレゼンし、事件裁断について絶対的覇権的権力をもつ独裁者である裁判官を籠絡してしまった方がいいのです。
すなわち、競馬にたとえると、差し馬のような勝ち方ではなく、訴訟はすべて先行逃げ切りがもっともスマートで裁判官からも歓迎されるようなススメ方ということになるのです。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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