そもそも
「取締役」
とは、会社法に基づき、会社組織を取り締まる(統括する)者との意味であり、取締役が企業経営を行うにあたってまず必要となるのは、会社法その他法令に関する知識です。
しかしながら、現実には、各企業トップは、営業ノウハウやマーケティング、コスト削減に関する知識は豊富であっても、トップに就任するにあたって、試験等により会社法等の法令知識が試されることがないため、法令に関する知識は必ずしも十分ではありません。
企業のトップマネジメントは企業法務を直接実務として取り扱うことまでは求められていませんが、自らが法務知識に欠けることを十分自覚し、企業法務体制を充実させるとともに、
「経営意思決定の際、法令解釈に照らした適法性・妥当性を積極的に検証する」
という意識を常に持っておく必要があります。
なお、企業法務活動における企業のトップマネジメントの役割として最も重要なのは、企業法務活動に対して十分な人員・予算上の措置を講じることです。
企業内の法務セクションは、間接部門の最たるものであり、特に、予防法務活動(契約法務やコンプライアンス法務(内部統制システム構築・運用法務))に関しては、活動の効果が見えにくいため、
「不要不急の活動に人員も予算も割けない」
という社内世論が起こりやすくなります。
この点は、トップマネジメントとして、適正にジャッジしていかなければ、法務体制の貧弱さゆえ、思わぬところで足をすくわれることにもなりかねません。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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