会社法においては、大会社は、内部統制システム構築の決定を取締役会で決定することが義務づけられています。
実際、上場企業は会社法施行に合わせて、内部統制システムの構築を取締役会で決定し、その旨を有価証券報告書等にも記載しています。
この決定義務は、形式的手続の面について述べているだけであり、取締役会で所要の決定をしさえすれば免責されるというものではなく、実質的要件の具備されたシステムの適正な構築・運用が求められていることはいうまでもありません。
ここで、
「実質的要件の具備された内部統制システム」
とは、大和銀行ニューヨーク支店事件判決のいう
「不正行為を未然に防止し、損失の発生及び拡大を最小限に止めるため」
「そのリスクの状況を正確に認識・評価し、これを制御するため、様々な仕組み」
を組み合せることにより実現される
「効果的なリスク管理体制」
をいい、性善説に立って倫理教育を施すものでは不十分であり、性悪説に立ったリスク・アプローチによる合理的・科学的な管理の仕組みである必要があります。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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