02256_ケーススタディ:「社長の名前が登記にない?」_逃げ得を許さないための「同一性特定」のロジック

「いざ訴えてやる!」と意気込んで訴状を書こうとした瞬間、法務担当者は戦慄します。  「あれ? 名刺の住所に会社がない。代表者の名前も登記簿に載っていない」。  相手は、最初から逃げる準備をしていた「幽霊」だったのか? しかし、諦めるのはまだ早い。  探偵のように登記の森を歩けば、「名前の一...

02255_出向社員トラブルの出口設計

出向は、便利です。 人材を活かし、取引先との関係を強め、グループ内の最適配置を実現できます。 経営にとっては、実に使い勝手のよい制度です。 ところが、トラブルが起きた瞬間、その便利さは一転します。 出向元、出向先、本人。 三者が絡み合い、責任の所在が曖昧になり、感情だけが先行する。 そして飛び出すのが、「懲戒解雇だ」と...

02254_企業法務ケーススタディ:不当な値切りの代償_敗訴後に弁護士費用を値切ろうとした管理本部長が受け取ったもの

「裁判で負けた? じゃあ、成功報酬は払わなくていいな。顧問契約も解除だ」。  コスト削減の鬼として知られる管理本部長が、敗訴を機に弁護士費用の“仕分け”を行いました。  しかし、これは「虎の尾」を踏む行為でした。  現代の民事裁判において、判決での敗北は、多くの場合「和解の拒否」という経営判断の失敗...

02253_企業法務ケーススタディ:競合悪口と名簿流用_不当営業が招く債権回収不能の法的リスク

「契約は取った。商品は納めた。あとは請求書を送るだけ」。  そう思っていた矢先、顧客から「代金は1円も払わない」という内容証明が届くことがあります。 理由は「御社の営業マンが、勝手に私の個人情報を他社に流したから」、そして「競合他社の悪口を吹き込んで契約させたから」。 営業現場が良かれと思って(あるいはノルマ...

02252_企業法務ケーススタディ:解任トラブルの泥沼_元検事の弁護士が告げた“保釈取消”のリスクと高額報酬、資料返還への対抗策

「弁護方針が合わないため、弁護士を変更したい」。  被告人にとって正当な権利行使であるはずのこの決断が、時として予想外の紛争を引き起こすことがあります。  解任された前任の弁護士が、高額な報酬の精算を求め、裁判資料の引き渡しを拒む(留置権の行使)。  さらに、「私との契約を解消すれば、監督...

02251_企業法務ケーススタディ:「見栄え」は超一流、「コスト」は三流?_格安で大物を冠するリーガルDDのダブルネーム術

「M&Aやファンド組成において、提出されるリーガルレポートの表紙にある『法律事務所のロゴ』は、中身以上にモノを言う」  これは業界の公然の秘密です。 しかし、一流の「ブランド事務所」に依頼すれば、目玉が飛び出るような請求書が届きます。 「予算はない、だが信用は欲しい」 そんな二律背反に悩む法務担当者に朗報です...

02250_企業法務ケーススタディ:契約書を汚さない「大人の法務」_実務と憲法の境界線_プレスの時間を“あえて書かない”

「契約書には、合意したすべての事項を詳細に記載しなければならない」  真面目な法務担当者ほど、この強迫観念に囚われがちです。  しかし、百戦錬磨のビジネス弁護士に言わせれば、契約書に書き込むべきは「権利義務の基本構造(憲法)」であり、すぐに消えてなくなる「事務手続き(マニュアル)」ではありません。 ...

02249_企業法務ケーススタディ:倒産危機の大家から敷金を回収する相殺の奥義

「大家の羽振りが悪い。噂では差押えも食らっているらしい」  そんな時、真面目なテナントは「立つ鳥跡を濁さず」とばかりに、家賃をきれいに払って退去しようとします。 しかし、法務の観点からは、それは「自殺行為」です。 なぜなら、あなたが払った家賃は大家の借金返済に消え、あなたが預けた「敷金・保証金」は二度と戻って...

02248_企業法務ケーススタディ:エース社員が残した「裏値引き」_“担当者が次々辞めていく”組織の病理と法的リスク

「今回の代金は『借りたこと』にしておきます。その代わり、次は値引きでお返ししますから!」  営業担当者が、目先の受注欲しさに独断で口走った「禁断の約束」。 経営者はこれを「担当者の勝手な暴走」と切り捨てようとしますが、少し待ってください。 なぜ彼はそんな無理な約束をしたのか?  なぜ後任の担当者は数...

02247_企業法務ケーススタディ:「中抜き」天国か、「板挟み」地獄か? 中間業者の板挟みを防ぐ“ミラーリング”契約術

「右から来た仕事を、左に流すだけでマージンが抜ける。こんな美味しい商売はない」  そう思っている経営者や営業マンは、遅かれ早かれ「法務の地雷」を踏んで爆死します。 商流の真ん中(中間業者)に立つということは、上流(クライアント)からの「金払わんぞ」という圧力と、下流(再委託先)からの「金払え」という突上げの、...