02116_契約チェックからトラブル対応まで!顧問弁護士の役割と活用ポイント

会社の顧問弁護士は、契約のチェックからトラブル発生時の対応まで、企業の法的な安全を守る重要な役割を担います。 その業務は、大きく「日常的な法務サポート」と「トラブル対応」に分かれます。 たとえば、企業経営を船の航海にたとえると、顧問弁護士は「海図を読む専門家」です。 普段は、安全なルートを確認し、危険を避けるアドバイス...

02115_取締役にしたのに「労働者」?グループ企業の人事異動の落とし穴

企業の人事異動や組織再編の際、従業員を役員にするケースは少なくありません。 しかし、「退職して別会社の取締役に就任した」という形を取ったとしても、法的に雇用関係が完全に消滅したとは言い切れない場合があります。 特に、グループ企業内の出向や異動とみなされると、後になって「本当は退職ではなかったのでは?」と争われるリスクが...

02114_間違えると契約が変わる!一文字違いが大問題に?契約書で間違いやすい「清算」と「精算」

契約書を作成するとき、1文字違うだけで意味が大きく変わる言葉があります。 その代表例が「清算」と「精算」です。 どちらも「せいさん」と読むため、つい混同しがちですが、契約上はまったく別の意味を持っています。 この違いを理解していないと、契約の内容が意図しないものになり、その後トラブルにつながる可能性があります。 例えば...

02113_契約書は最後―まずは事業の設計図を描け

契約書を作るのは、最後の最後です。 いきなり契約書を交わそうとする人がいますが、それでは順序が逆。 肝心の中身が決まっていないのに契約書を作ったところで、あとから矛盾や問題が噴出するのは目に見えています。 では、契約書の前に何を考えるべきか? 具体的には、以下のようなものが必要になります。 これらがしっかり固まったうえ...

02112_海外DDの落とし穴_弁護士交渉と「契約の壁」、正論では進まない現実

海外で法務デューデリジェンス(DD)を進める際、「資料収集の責任は誰が負うのか?」という問題が浮上することは珍しくありません。 例えば、依頼者としては、弁護士事務所との契約(Engagement Letter)に、資料収集の役割分担を明確にしておきたい。 しかし、弁護士側は「基本的に資料収集は依頼者の責任であり、我々が...

02111_訴訟費用を青天井にしないために。海外弁護士と戦う心得

契約書のレビューを依頼する際は、質問の仕方が重要です。 特に、経済条件の設計がゲームプランの鍵を握る場合、経済合理性が維持されている限りは問題ありません。 しかし、訴訟になったときの条件を明確にしておかないと、大きなリスクを抱えることになります。 たとえば、「月額●●●●ドルで弁護士費用を支払う」とだけ決めていると、訴...

02110_企業法務ケーススタディ:遠慮が命取り!?友人との取引で売掛金を滞納された…取引先との売掛金トラブル解決法

<事例/質問> 私は小さな会社を経営しており、友人でもある取引先に500万円の売掛金を請求しています。 しかし、支払期限を過ぎても入金がなく、何度か催促しましたが、「もう少し待ってほしい」と言われるばかりで、一向に支払われる気配がありません。 そこで、法的手段を検討しています。 知人に相談したところ、「まずは内容証明郵...

02109_一般民事事件:最高裁に上告された? でも焦るな! “放置”が最強の戦略

一般民事事件で、ある日、クライアントから「最高裁に上告されました!」と相談がありました。 まあ、よくある話です。 とはいえ、上告された側としては気になりますよね。 「相手はどんな理由で上告してきたのか?」と。 そこで、上告理由書(正式には「上告受理申立理由書」)を入手しようと、最高裁の担当書記官に問い合わせました。 す...

02108_企業法務ケーススタディ:契約の穴を塞げ!法務DDでボられないためのチェックポイント

<事例/質問> 海外法律事務所との法務DD契約について、Engagement Letter をご確認いただきたく存じます。 日付や宛先は変更予定ですが、本文の内容はこのままで進める方向です。 問題点や修正すべき点があれば、ご指摘ください。 <鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南> 契約の穴としては、以下の2点が考えられ...

02107_企業法務ケーススタディ:17年勤務の産業医、突然の契約解除ー退職を拒否できるか?

<事例/質問> 17年前より、ある企業の健康管理センターで産業医として勤務しています。 当初は常勤医でしたが、その翌年に非常勤嘱託となり、その2年後、自宅での検査判定が仕事となりました。 週5日分のデータを、週1回受け取り、検査判定をしています。 給料明細には勤務日数20日前後/月と記載されており、厚生年金保険に加入し...